11月8日,東京2020パラリンピック 車いすフェンシングの藤田道宣選手をお招きし,
「自分らしく生きる」との演題で,令和3年度響きあいセミナーがオンライン上で開催されました。
藤田選手は高校からフェンシングを始め,大学でも精力的にフェンシングに打ち込んでいました。
19歳の時に海水浴での事故で頸椎を損傷,下半身麻痺となりました。
自暴自棄になりながらも家族に支えられ,北京五輪銀メダリストの太田雄貴選手に声をかけられ,車いすフェンシングに生きる希望を見いだしました。
過酷なリハビリを乗り越え,国際大会でメダルを獲得し,2021年東京2020パラリンピックに出場されました。
はじめに,パラリンピックはその意義として,順位を競うのではなくパラスポーツを通して
「人々の意識」「移動の自由」「機会均等」の3つの目標を掲げたパラリンピック・ムーブメントにより
インクルーシブな社会を目指しているという面があることを教えていただきました。
次に,パラスポーツの体験を通じて,重い障害を抱えた海外選手の勇姿に気持ちが奮い立ったこと,
挫折しそうな中で支えてもらった家族,友人への感謝を話されていました。
また,ヘレンケラーの「障害は不便だが,不幸ではない」という言葉を紹介され,
障害を得てものの見方,考え方が広がり,たくさんの人生経験を得ることができたとご自身の経験を語ってくださいました。
最後に,保護者,子どもたちへのメッセージとして「目標に向かって一歩を踏み出せば道は開ける,
それをサポートしてあげるのが大人の役割,おかれた環境で今できることを精一杯することが大事」と話され,
「互いを認め合う心のバリアフリーを促進していきたい」として講演を終えられました。
講演の冒頭に「障害者は不幸だと思いますか?」との印象的な問いかけがありましたが,
講演を通じて,藤田選手の困難にも屈しないしなやかさと苦難を乗り越えたからこそある
さまざまな立場の人に対する深い思慮を感じ,大変感銘を受けました。
障害の有無などにかかわらずお互いを尊重し合える関係を大人が築いていくことで,
子どもたちが安心して過ごせる社会をつくっていきたいと思いました。
1年3組 情報委員